看護師特定行為研修
看護師の「特定行為研修」とは?
看護師が行う業務は、保健師助産師看護師法によって「療養上の世話」又は「診療の補助」と定められています。「診療の補助」においては医師の診療と看護ケアの実践には両者の境界が明確には規定されていませんでした。そこで、相対的な医行為を明確に区別し看護師が実施できるものを「特定行為」として位置付けました。その特定行為とは、21区分38行為であり、この行為を実践するための必要な高度知識と技術を研修指定機関で学び修了認定を受けた看護師のことを特定看護師といいます。
特定行為区分(21区分38行為)
これからは看護師の役割とは?
超高齢社会を迎える時代となり、国は今後の医療のあり方の見直しと在宅医療の推進を目指しております。「地域包括ケアシステム」は、入院医療と外来医療を中心とした従来の医療体制だけでなく、在宅医療も重要となります。それにより、医療提供体制も大きく変化していきます。チーム医療の展開が必要とされ、特に看護師の役割拡大が重要な時代となりました。入院でも在宅でも、医師の到着を待たず、患者の症状にあわせて必要な適切な処置ができる実践能力の高い看護師が求められるのです。
現場はどのように変わるの?
研修ではフィジカルアセスメントや臨床推論力などの医学的知識を学びます。特定行為は、医師又は歯科医師の指示の下、手順書(包括的指示)に基づき実施されます。看護実践においても高度かつ専門的な知識及び技能を活かして生活支援をしていきます。更に、予測されるリスクに対して、タイムリーに対処できます。
厚生労働省HP:リーフレット・「特定行為に関する看護師の研修制度が始まります」(医療関係者の皆さまへ)
厚生労働省HP:リーフレット・これからの医療を支える「看護師の特定行為研修」(訪問看護ステーション・介護施設の皆さまへ)
特定行為研修の内容は?
「共通科目」
臨床病態生理学、臨床推論、フィジカルアセスメント 、臨床薬理学、疾病・臨床病態概論、医療安全学、特定行為実践
「区分別科目」 上記の特定行為区分
研修内容は共通科目と区分別科目に分かれそれぞれに時間数が決められています。共通科目を受講、合格した後に区分別科目を受講、合格し指定研修機関から修了認定されると修了証が発行されます。 e-learningによる個別受講が主体となりますので、働きながら受講できることが魅力の一つです。